2008年06月30日

妖怪[餓鬼]

妖怪事典餓鬼



餓鬼(がき、サンスクリット語|Skt:Preta、音写:薜茘多=へいれいた)は、仏教において、亡者のうち餓鬼道に生まれ変わったものをいう。Preta とは元来、死者を意味する言葉であったが、後に強欲な死者を指すようになった。六道また十界の1つである。十界のうちでは迷界、三悪道(趣)に分類される。



概要

俗に、生前に贅沢をした者が餓鬼道に落ちるとされている。ただし仏教の立場から正確にいえば、生前において強欲で嫉妬深く、物惜しく、常に貪りの心や行為をした人が死んで生まれ変わる世界とされる。しかし大乗仏教では、後々に死後に生まれ変わるだけではなく、今生においてそのような行状をする人の精神境涯をも指して言われるようになった。餓鬼は常に飢えと乾きに苦しみ、食物、また飲物でさえも手に取ると火に変わってしまうので、決して満たされる事がないとされる。極端な飢餓状態の人間と同じように、痩せ細って腹部のみが丸く膨れ上がった姿で描かれる事が多い。また、餓鬼と言う妖怪もおり、人にとりついて空腹状態にしてしまうと言う。「正法念処経」巻16には、餓鬼の住処は2つある。# 人中の餓鬼。この餓鬼はその業因によって行くべき道の故に、これを餓鬼道(界)という。夜に起きて昼に寝るといった、人間と正反対の行動をとる。
・ 薜茘多(餓鬼)世界(Preta-loka)の餓鬼。閻浮提の下、500由旬にあり、長さ広さは36000由旬といわれる。しかして人間で最初に死んだとされる閻魔王(えんまおう)は、劫初に冥土の道を開き、その世界を閻魔王界といい、餓鬼の本住所とし、あるいは餓鬼所住の世界の意で、薜茘多世界といい、閻魔をその主とする。余の餓鬼、悪道眷属として、その数は無量で悪業は甚だ多い。



餓鬼の種類

餓鬼の種類はいくつかある。「阿毘達磨順正理論」31には、3種×3種で計9種の餓鬼がいると説き、「正法念処経」には36種類の餓鬼がいると説かれる。* 3種の餓鬼(阿毘達磨順正理論31)
・ 無財餓鬼、一切の飲食ができない餓鬼。飲食しようとするも炎となり、常に貪欲に飢えている。唯一、施餓鬼供養されたものだけは食することができる。
・ 少財餓鬼、ごく僅かな飲食だけができる餓鬼。人間の糞尿や嘔吐物、屍など、不浄なものを飲食することができるといわれる。
・ 多財餓鬼、多くの飲食ができる餓鬼。天部にも行くことが出来る。富裕餓鬼ともいう。ただしどんなに贅沢はできても満足しない。
: 「一に無財鬼、二に少財鬼、三に多財鬼なり。この三(種)にまた各々三(種)あり。無財鬼の三は、一に炬口鬼、二に鍼口鬼、三に臭口鬼なり。少財鬼の三は、一に鍼毛鬼(その毛は針の如く以て自ら制し他を刺すなり)、二に臭毛鬼、三に?鬼なり。多財鬼の三は、一に希祠鬼(常に社祠の中にありその食物を希うなり)、二に希棄鬼(常に人の棄つるを希うて之を食すなり)、三に大勢鬼(大勢大福、天の如きなり)」* 36種の餓鬼(正法念処経16)
・ ?身(かくしん)、目や口がなく、私利私欲で動物を殺した者が餓鬼となる。
・ 針口(しんこう)、口は針穴の如くであるが腹は大山のように膨れている。
・ 食吐(じきと)、人の吐き出したものを食べる。
・ 食糞(じきふん)、糞尿を飲食する。
・ 無食(むじき)、全身が飢渇の火に包まれて、どんなものも飲食できない。
・ 食気(じっけ)、供物の香気だけを食すことができる。
・ 食法(じきほう)、飲食の代りに説法を食べる。
・ 食水(じきすい)、水を求めても飲めない。
・ 希望(けもう)、亡き父母の為に供養されたものしか食せない。
・ 食唾(じきた)、人が吐いた唾しか食べられない。
・ 食鬘(じきまん)、鬘(かずら、首飾り)を食べる。
・ 食血(じきけつ)、生物から出た血だけを食べられる。
・ 食肉(じきにく)、肉だけを食べられる。
・ 食香(じきこう)、供えられた香の香りだけを食べられる。
・ 疾行(しっこう)、墓地を荒らし屍を食べ、人間に災禍をもたらすのが早い。
・ 伺便(しべん)、人が排便したものを食し、その人の気力を奪う。
・ 地下(じげ)、暗黒の闇である地下に住む。
・ 神通(じんつう)、涸渇した他の餓鬼に嫉妬され囲まれ、自己だけが楽をする。
・ 熾燃(しねん)、身体から燃える火に苦しむ。
・ 伺嬰児便(しえいじべん)、幼児の命を奪う。
・ 欲食(よくじき)、人間の場に行き惑わし盗む。
・ 住海渚(じゅうかいしょ)、熱水の海辺に住む。
・ 執杖(しつじょう)、閻魔王の使いっ走りで、ただ風だけを食べる。
・ 食小児(じきしょうに)、幼児を食べる。
・ 食人精気(じきにんしょうき)、人の精気を食べる。
・ 羅刹(らせつ)、人を襲い殺害して食べる。
・ 火爐焼食(かろしょうじき)、燃え盛る炉心の中で残飯を食べる。
・ 住不浄巷陌(じゅうふじょうこうはく)、不浄な場所に住む。
・ 食風(じきふう)、風だけを食べる。
・ 食火炭(じきかたん)、焼いて炭になった屍を食べる。
・ 食毒(じきどく)、夏の猛暑、冬の極寒に責められ毒だけを食べて生死を繰り返す。
・ 曠野(こうや)、猛暑の中、水を求めて野原を走り回る。
・ 住塚間食熱灰土(じゅうちょうかんじきねつかいど)、屍を焼いた熱い灰や土を食べる。
・ 樹中住(じゅちゅうじゅう)、樹木の中に閉じ込められ、蟻や虫を食す。
・ 四交道(しきょうどう)、四つ角に住み、そこに祀られる食べ物だけを食べられる。
・ 殺身(せっしん)、熱い鉄を飲まされて大きな苦悩を受ける。



餓鬼への供養

そんな餓鬼に施しを与えて鎮める方法がある。お地蔵さんの足元へ水やお粥を供え、
お経をあげると餓鬼に飲ませたり食べさせたりできる。これを行うと、とりつかれても飢えが鎮まる。



俗語の転用

また、子供は貪るように食べることがあるため、その蔑称・俗称として餓鬼(ガキ)が比喩的に広く用いられる。



関連項目


  • 六道

  • 餓鬼(施餓鬼会、施餓鬼供養)

  • 餓鬼憑き



    外部リンク

    餓鬼


    Quotation:Wikipedia - Article - History  License:GFDL
  • posted by 龍 at 04:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 妖怪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
    この記事へのコメント
    コメントを書く
    お名前:

    メールアドレス:

    ホームページアドレス:

    コメント:

    この記事へのトラックバックURL
    http://blog.seesaa.jp/tb/101842011

    この記事へのトラックバック
    ×

    この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。