おとら狐(おとらぎつね)とは、愛知県に伝わるキツネ|狐の妖怪。
概要
おとら狐は人間に取り憑き、様々な悪戯する妖怪で、取り憑かれた人間は常時では考えられない言動を行う。「おとら狐」の語源はおとらという娘に狐が取り憑いたことから。狐憑きの地方版と考えられる。取り憑かれた者は左眼から眼脂を流し、左足がうずくように痛むと言う。これは、かつて長篠の合戦において鉄砲の流れ弾を受けた為と言い伝えられている。憑かれる者の多くは病人であり、憑かれると長篠の合戦のことや自分の身の上をよく語るようになるともいう村上健司編著 『妖怪事典』 毎日新聞社、2000年、84頁。ISBN 4-620-31428-5。。おとら狐が人に憑くのは、本来長篠城の稲荷神|稲荷社の使いであったおとら狐が、長篠の合戦後に社を放置されたことを恨んでいるためといい、後にそれを鎮めるために長篠城の勝 ki.0p2Y$Kおとら狐が祀られたと伝えられる。現在では社は、愛知県新城市の大通寺に移されている宮本幸枝・熊谷あづさ 『日本の妖怪の謎と不思議』 学習研究社、2007年、65頁。ISBN 4-056-04760-X。。
主な伝承
愛知県の郷土研究社が1916年に出版した『郷土研究』にはおとら狐に取り憑かれた人間のさまざまな様子が伝承として記録されている。
脚注
外部リンク
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